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斉藤 健司*; 細井 文雄; 幕内 恵三; 小石 真純*
薬剤学, 47(3), p.154 - 160, 1987/03
セルロースを素材とした多孔性微粒子に線を照射したのち、サリチル酸を溶解したメタクリル酸メチル(MMA)あるいはMMAとスチレン(St),メタクリル酸(MAC)の混合物を接触させ、グラフト重合により徐放性微粒子を調製した。多孔性微粒子の薬物包括量はグラフト率の増加とともに指数関数的に増大した。同じグラフト率での包括量は、St-MMAMACMMAの順であった。サリチル酸の包括に対してはグラフトポリマーと薬物との親和性が重要な役割を果たした。いずれの系においても最大包括量は90mgであり、仕込薬物量の60%に相当した。グラフト粒子からの薬物放出速度は、MMAにStやMACを添加した系ではMMA系よりも小さくなった。グラフト微粒子の多孔性度やグラフトポリマーの広がりが薬物の溶出に重要な役割を果たすことを明らかにした。